アパートを誰にどのように継がせればいいでしょうか?

(Q)私はアパートを3棟持っています。私の息子は長男、次男、三男の3人がいます。それぞれのアパートを誰に継がせようかと迷っています。どのように考えればいいでしょうか?

(A)息子さん各人にそれぞれ1棟ずつ相続させたいということですか?

(Q)そうです。できるだけ公平に分けてやりたいのですが……。

(A)それなら「くじ引き」で決めるとよいです。

(Q)そんなバカな!真面目に答えてください。

(A)どうしてもと言われるなら、アパート3棟をそれぞれ別個に独立採算で経理して損益を出すことです。賃料は高いけれど利益の出ないアパートもあれば、古くて安い家賃のアパートでも借金を返し終わって手元資金が残るアパートもあります。所得税の確定申告ではミソもクソもごちゃ混ぜにしてドンブリ勘定で計算するのでわけが分からなくなります。できることなら今からでも子供たちに相続したいアパートを選ばせて、確定申告の手伝いをさせるのです。情報をオープンにすることが大切です。

(Q)3棟まとめて法人化するというのはどうでしょう?そしてその法人の株式を公平に相続するという形にしたらどうでしょうか?

(A)法人化して株式を共有にするのは最悪です。それでは「兄弟共有」という厄介な問題を抱え込むだけです。まして株式の議決権の共有は「準共有」といって法人は何も決めることができず、将来、必ず行き詰まります。それだけはおやめなさい。

(Q)う~ん、困った。だから「くじ引き」ですか?他に何か方法はありませんか?

(A)「くじ引き」がダメなら「じゃんけん」です。というより、不動産賃貸事業を情熱を持ってやってくれる子供に託すしかありません。「公平に」は無理です。

投稿者: ihanamura

花村一生:昭和23年生、福岡県出身 さまざまな職業を遍歴後、昭和58年税理士として開業 花村会計事務所所長 法人の顧問を中心に開業したが、会計業務が性分に合わず、数年で 手を引く(生来のずぼらから会計業務は行わないにもかかわらず、 会計事務所の看板はそのままになっている) その後、相続税申告と不動産税務に専門特化して今日にいたる。 特に不動産の時価と評価額の矛盾に憤りを持っており、相続税の物納について 異常ともいえる情熱を燃やしている。一時は物納申請件数は日本トップクラス。 主に土地持ち資産家の相続案件を得意とする。 国土交通省外部団体の「都市農地活用支援センター」のアドバイザーとなっている。 納税者のために考え行動することがモットー。税務署と闘うことも辞さない。 著書:新日本法規出版「社会生活六法」税金分野担当

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