私たちは醒めた夢を見ているだけなのか
「わたしたちが時間のなかにいるのか、それとも時間がわたしたちのなかにあるのか」ということが冒頭に出てくる本を読んだ。カルロ・ロヴェッリというイタリアの理論物理学者の「時間は存在しない」という本だ。
わたしたちはオギャーと生まれ出たときに「時間と空間のなか」に放り込まれたのか、それとも本当は時間も空間も存在せず、わたしたちの頭のなかに時間と空間があるのか?この世は「仮想現実」(バーチャル・リアリティ)なのか。
禅の世界では人生のことを「大夢」と言う。人生とは「醒めた夢を見ているだけ」
たしかに言われてみれば今までのことを思い出せば何もかもが夢だったように思える。私たちは夢の中で右往左往しているだけなのか。
ということは、死というのは「夢から醒める」ということ?
水平線に夕陽が沈んでいくのを見るのは感動的な景色だが、あれは夕陽が沈むのではなく、地球の上に乗っている私たちが地球とともに後ろに回転しているから太陽が沈んでいくように見えているだけ。そういうことだったのか。
パラダイム・シフト。
こんなことを考えていると税金のことなんかどうでもよくなる。
チマチマした社会のルールに付き合ってられるか、そんな気分だ。
「税理士という仕事が嫌になったのですか?」と言われそうだが、そんなことはない。少し離れた気分で見ているとそれはそれでおもしろい。