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マルチタスクよりシングルタスク
以前、あるテレビの健康番組で医者が認知症予防のために数を数えながら歩くことを提唱していた。「100から7を引いていって下さい、93、86、79…と。そしてそれを数えながら歩いて下さい」だって。「ながらウォーク」だってよ。歳をとると複数の作業を同時にできなくなるからそれを矯正する意味らしいが、馬鹿じゃないか。
私は事務所から自宅まで歩いて帰宅するが、絶対に100から7を引きながら帰りたくねぇ~わ!ったく!
頭を空っぽにして帰るからこそ、家に着いた時には頭スッキリしておるのだ。
健康番組で医者の言うことを真に受けていたら病気になるわっ!。
医者に健康のことを聞くことが間違いだ。医者は病気のことは分かっても、健康のことは分からない。
歩くときは歩くことに専念すればよいのだ。数を数えるときは数を数えることに専念する。中途半端なことをするから認知症になるのだ。
マルチタスクよりシングルタスクだ。
「マルチタスク」とは、例えば、ウンコしながら新聞を読むとか、テレビを見ながらメシを食うとか、複数の作業を同時に行うことを言うが、ビジネスの世界でもマルチタスクがもてはやされている。それは焦りや恐怖に追い立てられているからだ。歳を食ってまでマルチタスクをやることはない。
もしどうしてもやりたいのなら、メシを食いながらながらウンコをすればよい。メシを食ってウンコを押し出す、一石二鳥だ。それこそ認知症患者と思われるわ!
歳を食ったからこそ「シングルタスク」だ。ウンコするならウンコに専念し、飯を食うなら飯を食うことに専念する。歳を食うと、こういうことが大切だと分かってくる。一時に一事をやり通すこと。そもそも歳を食うとマルチタスクができなくなる。それでよいのだ。そうなっているのだ。だから歳をとると悟りの境地に近づいていくのだ。
私は若いころ(19歳当時)記録的な大雪のなか、名古屋から福井の永平寺まで自転車で単独行をした。参禅をするためだ。禅宗では、寝るとき、飯を食うとき、風呂に入るとき、顔を洗うとき、それぞれ日常の一事一事に集中する。う~む、これが行住座臥か。新鮮だった。なんのことはない、いま欧米で話題のマインドフルネス瞑想のはるか先を行っている。
最近、“できるビジネスマン”を気取って、ランチミーティング、だとかディナーミーティングだとかやっておるが、時間の無駄だ。その果ては、一日中せわしなく働いていたのに、ちっとも達成感がない思いをするだけだ。